蒸気機関車の“精度”

  • hashira
  • 2018/07/06 (Fri) 08:33:19
汽車の話をしているとよく“精度”という単語を耳にします。
しかし・・
・何の何に対する精度なのか
・精度が具体的に何に影響するのか

誰も教えてくれないし掴めないのでこっちが考えます。


・加工精度
寸法公差、真円度、平行度いろいろとありますが、どれと言及しているのは見たことないです。
日本は後進国だったのでここが弱くて低性能だったという主張によく引っ付いてきます。
しかし精密機械でなどもちろんなく、熱膨張に晒され、加えて摩耗部品の集積物である蒸気機関車にある程度以上の加工精度に意味があるのかと。
シートと密着させねばならないポペットバルブ、経路が複雑なトリックバルブなら分かりますが……

・組立精度
シリンダ中心と動輪中心の芯合わせなど。GWRが特に優秀でオートコリメータを使って高精度に組み立てていた、というのが昔話題に上っていたのを覚えています。
また遊びが少ない転がり軸受を採用しているなら必然的に高い組立精度が要求されそうな気がします。

ま、精度と軽々しく言う人には要注意ですかね……(結論見えず

Re: 蒸気機関車の“精度”

  • Okamasky
  • 2018/07/06 (Fri) 20:10:38
まいど
・加工精度
「レイル」No.35のP33に輸入2C・2C1機の気筒内径精度の比較表有り
一般に外径より内径の方が精度出すのは難しいので技術レベルが顕著に現われる
最良の8700形は最悪の8900形よりひと桁良い
気筒真円度は言うまでもなく気密保持ひいては蒸気消費量に密接に関係あり
また走行部の加工精度が悪いと8900形のように本線試験中に先輪が車軸より脱出したりしてはなはだ危険だし、8850形のように心向棒と滑り子の隙間過小で走行中に帯熱・固着して前途運転不能となったりします

・組立精度
GWR機は気筒前後蓋とピストンとの隙間が他の3大私鉄の約半分で気筒隙間容積が小さくその分蒸気消費量低減となる
また軸箱守滑面距離と連結棒中心間距離の誤差も他の3大私鉄の約半分に抑え込んでいるので、キングクラスのように高速惰行時でも回転音・風切り音しか聞こえない(素晴らし杉)
主連棒大端も無調整の丸型(ソリッド)としてるので回転質量も小さく従って対重(カウンターウェイト)も軽くできるなど色々メリット多し

デハ

Re: 蒸気機関車の“精度”

  • darbyz80
  • E-mail
  • 2018/07/06 (Fri) 20:13:44
自分も過去に>灼熱地獄だけでなく給炭室の片側は窓戸が無く戸側を下に横転したら死にます。理屈は良くても材質や加工技術が要求する耐熱性・強度・精度を満たしていなかったので、試験中は溶けたり切れたり漏れたりの繰り返しでした。<って無批判に使ってますね。

Re: 蒸気機関車の“精度”

  • hashira
  • 2018/07/06 (Fri) 21:15:12
ソースに行き当たれませんでしたが、5ATは現代のディーゼルエンジン並みの加工精度とすると掲げていたのを思い出しました。

>8900形
ボールドウィンも大概とのことでしたが当時の米国機は安かろう悪かろうですね。

>GWR
標準化といい、玄人好みな魅力にあふれてますね。
大日本帝国が逆立ちしても追いつけない・・


・・・
darbyz80さん

精度は「標準型」「近代機」「名機」と同類の定義サッパリなバズワード感が^^;
強度と剛性も工学的定義から逸脱した使われ方がよくされている気がします。

Re: 蒸気機関車の“精度”

  • Okamasky
  • 2018/07/07 (Sat) 07:47:11
まいど
「浜松区のC62はビッグエンドの孔を若干摩耗したテーパーに仕上げて出場後すぐ下りつばめに充当していた」って工場長が自慢気に書いてましたけど
それって台枠or車軸の剛性不足もしくはクランクピンの垂直度不良では?
あと西の保存機がよく軸焼け起こすのは隙間が無さ杉で回転時に油膜が形成されないんでは?
などと思ったりする今日この頃
デハ

Re: 蒸気機関車の“精度”

  • Okamasky
  • 2018/07/07 (Sat) 08:02:05
追記
「若干摩耗したテーパー」がクラウニングのコトだったらイイんですけどね
デハ

Re: 蒸気機関車の“精度”

  • hashira
  • 2018/07/07 (Sat) 18:40:39
>若干摩耗したテーパー

内側に向かって開く円錐形?と妄想しました。
コンロッドがクランクピンを押すときに生じる微小な傾きを考えて・・

逆にどうして出場してすぐ特急に充てられないの?とツッコミたくなります。
(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)