英国MT機の動輪直径について

  • uccyan
  • 2018/10/29 (Mon) 21:49:08
初めまして、よろしくお願いいたします。

欧米は高回転を前提として、日本に比べ運転速度に対し動輪径が小さめだと承知しています。しかし、英国MT機の動輪直径は1800mm前後が多いようです。
客貨両用機でこれ程までに大きな動輪は必要だったのでしょうか?
最新の設計とはいえ1500mm強の9F型が急行を問題なく牽引しており、過大だったのではないか?と不思議に思っています。

どこを探せばよいのかわからず、どなたかお答えいただけないでしょうか。

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • Okamasky
  • 2018/10/30 (Tue) 07:42:25
まいど
レシプロ蒸気機関には熱効率最良となる最適ピストン速度がありまして近代英国蒸機では毎分360回転あたりに設定されてます
BR 9Fの90mphはこれを遥かに超え毎分540回転近くになりますので常用するには燃費不経済なワケです(保守面も不利)
近代英国MT機にはSR MN, WC&BBもありますがWW2中で純急客機の新造が不可のためMTレンジで設計されたモノ(動輪径6ft2in)で実際には急行に常用され常用最大100mphで使用されてます
こんなトコで如何でしょう
デハ

Re: Re: 英国MT機の動輪直径について

  • uccyan
  • 2018/10/30 (Tue) 19:05:39
お返事ありがとうございます。

なるほど、そういう方便があったのですか。C61・C62みたいな話ですね。
戦中~戦後に造られた6フィート2インチのMT機は皆、実質急客機と思って大丈夫でしょうか。
しかし名ばかりの客貨両用とはいえ、貨物を牽くこともあったようですね。速度の遅い2軸貨車の先頭に立つ姿は誠に滑稽です。

9Fはたまの代走を一応こなすことができる、という例で書きました。まさか客貨両用が建前で急行に常用するとは思いませんで…

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • Okamasky
  • 2018/10/31 (Wed) 07:13:42
>戦中~戦後に造られた6フィート2インチのMT機は皆、実質急客機と思って大丈夫でしょうか。

「国鉄時代」55にも書きましたけど急客機の要件はまずボイラー蒸発力ですので
-実質急客機として常用 パシフィックの連中
-時には急行も牽ける客貨両用機 テンホィラーの連中

>速度の遅い2軸貨車の先頭に立つ姿は誠に滑稽です。

コチラ ↓ は観ましたか?
https://www.youtube.com/watch?v=IJkzhD7kpvQ

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • uccyan
  • 2018/10/31 (Wed) 20:12:51
>時には急行も牽ける客貨両用機 テンホィラーの連中
ということは、普段は普通旅客や貨物用ということですよね。
そうであれば、なおのこと動輪径が過大ではないかと愚考いたしますが、別の判断基準があったのでしょうか?
それとも、英国の路線詳細や運転曲線を知らないのですが、普通旅客や貨物も駅間距離が長く表定速度が高いのでしょうか。

>コチラ ↓ は観ましたか?
拝見しました。ブラックファイブが貨物の先頭に立っているようですが、ワキ1のような急行貨物ですらないようですね。これが常態だったのでしょうか。
紹介していただいてすみませんが、大動輪が勿体ない以外の感想を抱けません。コンソリの8Fを増やして対応したほうが良い気がしますが…

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • Okamasky
  • 2018/10/31 (Wed) 22:52:32
>普段は普通旅客や貨物用ということですよね。

そうじゃなくてMixed Trafficとは多目的の意ですから急行旅客(パシに比べれば軽量)も普通旅客も貨物(中量以下)も牽けるということです

>普通旅客や貨物も駅間距離が長く表定速度が高いのでしょうか。

おしなべて本邦の1.4倍と思ってください

>これが常態だったのでしょうか。

蒸気時代の英国ではボギー貨車は長物車か大物車ぐらいしか有りませんでした
Fully Fitted Freightとは全車両貫通制動付きで編成されるもので急行貨物に相当しますから充分速いでしょ(ブレーキバン車上からの後方映像とか)

>大動輪が勿体ない以外の感想を抱けません。

ブラックファイブも急行を牽けば90mph近く出すことも有りますから6フィート動輪は有用でしょう

>コンソリの8Fを増やして対応したほうが良い気がしますが…

コンソリは英国では「ミネラル・エンジン」と言って鉱石・石炭列車用で急行貨物や旅客列車に当てられることはまずありません

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • uccyan
  • 2018/11/02 (Fri) 23:14:22
時には急行も牽けると書かれていたので、「急行はパシが不足した時の代走程度」と受け取っていましたが違うのですね。

>おしなべて本邦の1.4倍
そうなのですか。路線状況についてかなりざっくりとしか知らないので、すみませんが運転曲線や線路一覧略図のような英語を教えていただけないでしょうか。

>充分速いでしょ
殆どが2軸車なのは承知していたので、ワキ1は高速用にTR24を装備した例として挙げました。
2軸車ではいくら貫通ブレーキを整備したとてたかが知れていると思っていました。ご指摘の後方映像もヨーイングは酷いですが高くて70km/hくらいに見えましたので。
しかし改めてブレーキバンで検索したところ100km/h近く出していたのですね。大変驚きました。
どうも話が噛み合っていないと感じていましたが、この無知が原因でした。すみません。
軸支持はシュー式のようなものが大半のようで、なぜ高速で走れたのでしょうか。
貨物は引き出しのためネジをきつく締めないと思っていましたが、締めてバッファで動揺防止をしたのでしょうか。
一部には板バネ両端にコイルバネ?が付いていますがこれが専用車だったのでしょうか。

>コンソリ
一部の重量列車専用なのは承知していましたが、上記の通り客貨の速度差が大きすぎるという勘違いによるものです。
しかし毎分360回転ならばコンソリの動輪径でも範囲に収まりますね。ならば起動・加速力に余裕がある方が良いと思いますがいかがでしょうか。
MTでも対応できるなら客貨に融通できる方が良い、軸重に余裕があり列車単位の小さい英国ならではということでしょうか。

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • Okamasky
  • 2018/11/03 (Sat) 09:39:52
そもそもMTはP(パッセンジャーだが実態は重量急客)とF(フレイトだが実態は鉱石・石炭)の間の仕業をなるたけ1形式でカバーしようってのが主眼です
よってボイラー蒸発力はパシより下の狭火室テンホイで充分
動輪径は軽量急客も牽ける5ft8in~6ft2in
動輪軸重は2級線に入れる18トン前後
代表例のLMSブラックファイブだと動輪上重量は18×3=54トンで本邦D51並みですから800トン以下の貨物なら十分牽けるワケです(無従輪だから牽き出しは有利)
コンソリですが側線や専用線に出入りする関係で動輪軸重は3級線レベルの16トン前後でして4動軸は貫通制動の無い私有貨車を牽く時のむしろ制動力確保のためです

効率的な動輪回転数は常用最大の2/3程度に設定されるので毎分360はチト言い過ぎでした
英国では毎分300前後でしょう(本邦は毎分200前後)
効率的な動輪回転数はとうぜん燃費最小ですから鉄道経営の面からはなるたけその辺で長時間使用するのが良いワケです

欧米では閉塞が開いてれば行け行けドンドンですから本邦のような緻密な運転曲線があるかどうかは存じません
大幹線では急行線と緩行線を分離した複々線区間が長いです
ロンドン・グラスゴー間645キロを6時間40分で結ぶ急行「カレドニアン」(ダッチェス牽引)がロンドンに44分早着する世界です
(16分遅着したと勘違いした乗客が出口へとダッシュしたと言うオマケ付き)

貨車は見てのとおり車体が短く狭く低いのに加えて車輪が大径なので高速走行には有利でしょう
見た所バッファー面は合わさってますからスクリューは締めてるでしょう
自連のように連結器遊間を活用して非力な釜で重量列車を牽こうなどと卑怯な真似は普通はしませんが鉱石・石炭用の無蓋車はスクリュー無しのリンクカプラーでこちらは大いにガチャガチャ・・・・・とやります

まぁ何にせよ本邦とは事情が大いに違いますので向こうの動画を沢山見て頂くにしくは無いと思います

Re: 英国MT機の動輪直径について

  • uccyan
  • 2018/11/05 (Mon) 20:15:50
緒元にも目を通し、設計思想が違うのは重々承知していたつもりですが、改めて考えると未だに客貨両用機は2線級というイメージに思考が引っ張られていたようです。
また4動軸が側線のためというのは考えていませんでした。確かに自重は5MTと8Fで大差ないですね。
制動力確保も同様です。トーマスの事故集などで無制動の車両の知識はありましたが、やはり普段運転しているものを前提にしてしまいますね。気を付けます。

>効率的な動輪回転数は常用最大の2/3程度
それならば平坦線を100km/h程度で飛ばすのには1800mm強が丁度いいですね。

>閉塞が開いてれば行け行けドンドン
ノンストップなら中間駅の定時性は関係ないという感じでしょうか。
様々な伝説がありますが、日本式の教育を受け、日々1秒に追われて仕事をしている身としては恐ろしい限りです。
いつ、どの列車が来るかわからない信号掛は大変だったのでしょう。

黎明期の厳しい車両限界が、ここでは蟹股の低重心というメリットに化けたのですね。
貨物でも棒引き出しが基本なのですか。遊間を利用しなければ引き出せない非力な車を運転している身としては、羨ましい限りです。

まことにありがたい時代になりました。さらに活用してまいります。
大変勉強になりました。ありがとうございます。
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